♯139 聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画
観 覧 日 : 2016年8月11日
会 場 : 国立西洋美術館
H P : http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2016meckenem.html
展示作品 : 聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画
期 間 : 2016年7月9日 〜 9月19日
料 金 : 1,000円 ・ 図録 2,300円
総展示作品数 : 105点 (内説明あり)56点
セクション(構成) : 5区画
Ⅰ メッケネムの版画製作の展開とコピー
Ⅱ 聖なるもの:キリスト教版画
Ⅲ 俗なるもの:世俗主題版画
Ⅳ 物語る版画家
Ⅴ 初期銅版画とデザイン、工芸
☆五つを満点とする
評価 ☆☆☆☆☆
感想 :
イスラエル・ファン・メッケネム(c.1445-1503)は、15世紀後半から16世紀初頭にライン川下流域の町で活動したドイツの銅版画家です。
当時人気のショーンガウアーやデューラーら他の作家の作品を大量にコピーする一方、新しい試みもいち早く取り入れました。
また、作品の売り出しにも戦略を駆使するなど、その旺盛な活動から生まれた作品は今日知られるだけでも500〜600点あまりにのぼります。
メッケネム作品の多くはキリスト教主題をもち、人々の生活における信仰の重要性をしのばせます。
もっとも、像の前で祈る者に煉獄での罪の償いを2万年分免除する《聖グレゴリウスのミサ》など、なかには当時の信仰生活の「俗」な側面が透けて見えるものも含まれます。
また、当時ドイツの版画家たちは、まだ絵画では珍しかった非キリスト教的な主題にも取り組むようになっていましたが、メッケネムも、男女の駆け引きや人間と動物の逆転した力関係などをユーモアと風刺を込めて描いています。
本展は、ミュンヘン州立版画素描館や大英博物館などからも協力を得て、版画、絵画、工芸品など100点あまりで構成されます。聖俗がまじりあう中世からルネサンスへの移行期にドイツで活動したメッケネムの版画制作をたどるとともに、初期銅版画の発展と受容や工芸との関わり、コピーとオリジナルの問題、作品に映された当時の社会の様相などにも目を向けます。
西洋美術館が所蔵している作品も多く展示されており以前に観かけた作品もありました。
緻密に作成された銅版画自体個人的には好きでありまた観たいと思いました。
イスラエル・ファン・メッケネム ≪メッケネムと妻イダの肖像≫
マルティン・ショーンガウアー ≪中庭の聖母子≫
イスラエル・ファン・メッケネム マルティン・ショーンガウアーに基づく≪中庭の聖母子≫
イスラエル・ファン・メッケネム、ドメニクス・ロッテンハマー ≪磔刑≫
イスラエル・ファン・メッケネム《曲芸師とその妻》(<日常生活の諸場面>より)
イスラエル・ファン・メッケネム「エッケ・ホモ 連作『受難伝』より」
次回の更新は2017年1月中旬頃を予定しております。
2016年の更新はこれが最期となります、一年間観に来て下さり有難う御座いました。
来年も定期的に更新していく予定ですので2017年も宜しくお願い致しますm(_ _)m