♯138 大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで
観 覧 日 : 2016年8月11日
会 場 : 江戸東京博物館
期 間 : 2016年7月5日 〜 8月28日
料 金 : 1,350円 ・ 図録 2,300円
総展示作品数 : 128点 (内説明あり)70点
セクション(構成) : 10区画
1章 江戸の妖怪、大行進!
section A これが江戸の妖怪だ!
section B 物語になった妖怪たち
section C 妖怪大図鑑
section D 幽霊画の世界
section E 錦絵の妖怪
section F 版本の妖怪
2章 中世にうごめく妖怪
3章 妖怪の源流 地獄・もののけ
section A 地獄にうごめくものたち
section B 縄文人の不安の造形化
4章 妖怪転生 現代の妖怪
☆五つを満点とする
評価 ☆☆☆☆☆
感想 :
妖怪は、日本人が古くから抱いてきた、異界への恐れ、不安感、また〝身近なもの〟を慈しむ心が造形化されたものです。「百鬼夜行絵巻」(ひゃっきやぎょうえまき)などに描かれた妖怪たちの姿は、一見すると不気味ながら、実に愛らしさにあふれています。
日本絵画史上、異界の生き物としての「鬼」や「化け物」が登場するのは平安時代の末期、12世紀とされます。たとえば、平安時代末期から鎌倉時代にかけては、邪気を退治する神々を描いた国宝「辟邪絵」(へきじゃえ)や、国宝「六道絵」(ろくどうえ)に地獄の様相があらわされ、鬼が数多く登場します。これらが妖怪誕生のイメージ・ソースとなります。中世に入ると、いよいよ妖怪の登場です。気弱そうで同情を引く顔つきの妖怪が登場する重要文化財「土蜘蛛草紙絵巻」(つちぐもそうしえまき)や、古道具を妖怪化させて物の大切さを説く「付喪神絵巻」(つくもがみえまき)など、親しみやすさが色濃くなります。さらには、コミカルな鬼たちが京を闊歩する室町時代の重要文化財「百鬼夜行絵巻」や、江戸時代では葛飾北斎「百物語」や歌川国芳「相馬の古内裏」(そうまのふるだいり)などの作品が、後世に大きな影響を与えました。
本展では、古くから日本で愛されてきた妖怪、すなわち〝異界への畏れの形〟の表現の展開を、縄文時代の土偶から、平安・鎌倉時代の地獄絵、中世の絵巻、江戸時代の浮世絵、そして現代の「妖怪ウォッチ」まで、国宝・重要文化財を含む一級の美術品で紹介します。民俗学にかたよりがちだった従来の妖怪展とは一線を画す美術史学からみた〝妖怪展の決定版〟です。
幽霊・妖怪いるのか?いないのか?それは分かりません・・・。
しかし昔から身近にあるものとして親しまれているように感じます。
鑑賞者も老若男女と様々で幅広い層の人が興味を持って観に来ている感じました。
個人的にとても好きですし良かったです。
葛飾北斎「天狗図てんぐず」
葛飾北斎「百物語 お岩さん」(ひゃくものがたり おいわさん)
歌川国芳「相馬の古内裏」(そうまのふるだいり)
伝土佐光信「百鬼夜行絵巻」(ひゃっきやぎょうえまき)(部分)重要文化財
「土蜘蛛草紙絵巻」(つちぐもそうしえまき)(部分)重要文化財
国宝「六道絵ろくどうえ 衆合地獄しゅうごうじごく」
妖怪ウォッチ 「ジバニャン」
次回の更新は12月下旬頃を予定しております。