siseiryu美術館・博物館放浪記

今までに観に行った美術館・博物館などの記録です。

♯192 不思議の国のアリス展

f:id:siseiryu:20200719193656j:plain

観 覧 日 : 2020年2月23日

会  場 : 静岡市美術館

H  P : https://shizubi.jp/exhibition/future_200201.php

展示作品 : 不思議の国のアリス

期  間 : 2020年2月1日 ~ 3月29日

料  金 : 1,300円 ・ 図録 2,420円
       謎解きキット 1,500円

セクション(構成) : 3区画

1.始まりの話-アリス誕生 

2.アリス物語-不思議の国への招待

3.アートの国-世界が愛する永遠のアリス 

感想 :

ルイス・キャロル(1832-98)の著書『不思議の国のアリス』は、1865年に英国で初めて出版されてから今日までに170余りの言語に翻訳され、世界中で世代を超えて親しまれ続けている不朽の名作です。オックスフォード大学クライスト・チャーチの数学講師だったキャロルが、少女アリス・リデルと出会ったことから生まれたこの物語は、文学の世界にとどまらず、美術、映画、舞台、ファッションなど様々な分野の表現者たちの創作意欲を刺激してきました。
本展は、主人公アリスの奇想天外な冒険を描いた2つの物語―『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を中心に、誕生から150年以上が経過しても決して色褪せることのない不思議な魅力に迫ろうというものです。稀少な初刊本や、その挿絵を手がけたジョン・テニエルの下絵素描といった貴重な資料を筆頭に、物語の原点からその後の多角的な展開の様相をご覧いただきます。アリスの世界観を独自の解釈で表現したサルヴァドール・ダリエリック・カール山本容子清川あさみなど、国内外で活躍する芸術家たちの共演も見どころです。日本初公開を含む約190点の作品により、みなさんを魅惑の世界へと誘います。


不思議の国のアリス』は、初めて出版されてからすでに150年以上の月日が流れてもなお絶えることなく読み継がれている物語です。すでに170を超える言語に翻訳され、発行部数は1億部とも言われる世界的ベストセラーになっています。

本展は、この物語の誕生から今に至るまで、常に「アイドル」的な存在であり続けるアリスを展観することで、 この物語がなぜこんなにも人々を惹きつけてやまないのか、という疑問を共に探り出そうとするものです。
アリスの物語は、英国の児童文学を教訓主義の呪縛からはじめて解き放った児童書として、文学史上確固とした地位を築いていますが、児童文学作品としては、それこそ例外と言って良いほど、多種多様な批評研究の対象とされてきました。そして同時に、画家、イラストレーターをはじめ、さまざまなジャンルの芸術家の創作意欲をも刺激し続けています。
さあ、それでは『不思議の国のアリス』の「不思議な魅力」をご一緒に探しにゆきましょう。


1章 始まりの話 ― アリス誕生
日本初公開のテニエル自筆の挿絵下絵など、物語の誕生に中心的な役割を果たした人々に関連する資料をご紹介します。

世界中の多くの人に世代を超えて愛されている『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルは英国オックスフォード大学のクライスト・チャーチの数学講師でした。本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドッドソンといいます。キャロルは幼いころより創作意欲に富み、数学者として書物を著す一方、詩や物語も書く青年でした。 その彼の人生を大きく変えたのが、学校に新しく赴任してきたリデル学寮長の娘、アリス・リデルに出会ったことでした。

1862 年のある夏の午後、アリスと二人の姉妹を連れてボートでの遠出に出かけたキャロルは、三姉妹からお話をするようせがまれます。そこで生まれた物語が『不思議の国のアリス』の原点となった『地下の国のアリス』 です。この話をとても気に入ったアリスが「今日のお話を本に書いて」とねだったので、キャロルは自筆の挿絵入りの本を完成させてアリスに贈ったのでした。すると、その話があまりにもおもしろかったので、周囲から出版を勧められることになったキャロルは、当時の人気画家ジョン・テニエルに、出版に向けて挿絵を依頼します。

その後、1865 年に『不思議の国のアリス』が出版されると、キャロルは一躍人気作家になります。そして、 この時のテニエルの挿絵が、後のアリス像を決定づけることになっていくのです。

f:id:siseiryu:20200729011245j:plain
チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン《チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン》
f:id:siseiryu:20200729011309j:plain
チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン《アリス・リデルの肖像(複製)》
f:id:siseiryu:20200729011336j:plain
ルイス・キャロル《「アリス」のスケッチ》【神戸会場のみ展示】
f:id:siseiryu:20200729011403j:plain
ルイス・キャロル《「涙の池」のスケッチ》【横浜会場のみ展示】
f:id:siseiryu:20200729011457j:plain
ジョン・テニエル鏡の国のアリス』挿絵のための下絵 ≪髪をかきむしるトゥィードルダム≫
f:id:siseiryu:20200729011512j:plain
ジョン・テニエル鏡の国のアリス』挿絵のための下絵 ≪ところが そいつは頑固で高慢≫
f:id:siseiryu:20200729011541j:plain
ルイス・キャロル 絵:ジョン・テニエル 発行:エンベリン&サン、オックスフォード《切手ケース》


2章 アリスの物語 ― 不思議の国への招待
不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の物語を、世界で活躍する7人の画家がそれぞれ個性豊かに描いた作品で辿ります。

不思議の国のアリス』は 12章からなる物語で42枚の挿絵を含んでいます。42という数はルイス・キャロルが好んで使う数でした。その後に書かれた『鏡の国のアリス』も、『不思議の国のアリス』と同じ12章からなっています。2つの物語は、アリスを助けたり、困らせたり、怒らせたりする魅力的な登場人物にあふれています。シロウサギやチェシャネコ、ハンプティ・ダンプティなど、すでによく知っているキャラクターもいることでしょう。

本章ではこの2つの物語が、現在活躍中の世界的に有名な7名のアーティストによって、色鮮やかに語られてゆきます。物語を読んだことがない人でも、知らず知らずのうちにアリスの世界に引き込まれ、これらの物語に心新たに出会うことができるでしょう。

f:id:siseiryu:20200223131943j:plain
チャールズ・サントーレ《ウサギの巣穴を落ちていくアリス》
f:id:siseiryu:20200223132002j:plain
チャールズ・サントーレ《涙の池で生きものたちと泳ぎ回るアリス》
f:id:siseiryu:20200223132034j:plain
チャールズ・サントーレ《ネズミのお話を聞くアリスと動物たち》
f:id:siseiryu:20200223132044j:plain
チャールズ・サントーレ《コーカス競争》
f:id:siseiryu:20200729012433j:plain
チャールズ・サントーレ『不思議の国のアリス』第5章より ≪イモ虫からの忠告≫
f:id:siseiryu:20200223132057j:plain
チャールズ・サントーレ《メバチサカナ召使いが、メダマカエル召使いへ、女王さまからの招待状を渡す》
f:id:siseiryu:20200729012726j:plain
ヘレン・オクセンバリー『不思議の国のアリス』第7章より ≪へんなお茶会≫
f:id:siseiryu:20200223132121j:plain
ロバート・インペン《「起きよ、この怠け者めが!」と女王さまが言いました》
f:id:siseiryu:20200223132132j:plain
ロバート・インペン《グリフォンとニセウミガメとアリス》
f:id:siseiryu:20200223132156j:plain
ロバート・インペン《裁判が始まる》
f:id:siseiryu:20200730011934j:plain
ジョン・ヴァーノン・ロード『鏡の国のアリス』第6章より ≪ハンプティ・ダンプティ
f:id:siseiryu:20200223132222j:plain
ラルフ・ステッドマン《「あたしたちは話せるのよ。周りに話すに足る人がいればの話だけどね」オニユリは言いました》

3章 アートの国 ― 世界が愛する永遠のアリス
絵本『はらぺこあおむし』の作者エリック・カールの描き下ろし作品をはじめ、サルヴァドール・ダリ山本容子など、物語からインスピレーションを受けた芸術家たちの共演をお楽しみください。

不思議の国のアリス』の世界観は、本にとどまらず、さまざまな分野でも広く愛されています。映画、アニメーション、舞台などにも、その姿を見ることができますし、多くのクリエーターたちが創作意欲を刺激されることで、美術や芸術にも昇華されています。では、この物語が出版から150年以上経った今もなお、ジャンルを 問わず色あせることもなく、こんなにも多くの人々を惹きつけてやまないのは、なぜなのでしょうか。
本章では、多種多様な「アリス」を一堂に集め、この物語の不思議な魅力に迫ってまいります。さまざまなア ーティストが独自に独特な「アリス」を創りだすことで、異なる世界観が次々に加味され、その魅力が一層奥深いものになってゆくさまを感じていただけることでしょう。
そして、「アリス」はこれからも時代と共に成長し続け、永遠に唯一無二の存在であり続けることでしょう。

f:id:siseiryu:20200730012303j:plain
アーサー・ラッカム《ニセウミガメ》
f:id:siseiryu:20200730012114j:plain
エリック・カール《チェシャネコいもむし》


全世界で550万人以上を動員する「リアル脱出ゲーム」とのコラボレーションイベントが実現!
特別な謎解きキットを持ち、アリスのように消えたシロウサギを追いかけ、あなたが飛び込んだ先は薄暗い書斎。次々と
現れる不思議な暗号、そして入れないほどの小さなドア。
あなたは謎を解き明かし、この「不思議の国」から脱出することができるだろうか?
専用キットを使って謎を解き明かし、不思議の国からの脱出を目指します。

f:id:siseiryu:20200719201625j:plain


不思議の国のアリスです。
個人的にとても好きです。今回の企画展ではさまざまな挿絵が見ることが出来てよかったです。
ただ今回は「リアル脱出ゲーム」がコラボで開催されておりやってみたのですが、まぁ得意ではないのがよく分かりました。
たまにはこういうのもいいなと感じつつ今後やるかどうかは不明です・・・


展覧会公式サイト:http://www.alice2019-20.jp/


不思議の国のアリスについて詳しく知りたい方は、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AE%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B9
をクリックして下さい。(ウィキペディア


転勤やコロナの影響によりなかなか美術館に行くことが出来ずストックがなくなってしまいました。
その為次回の更新は未定です・・・
なるべく早く再開できるように努めようと思います。
今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m