siseiryu美術館・博物館放浪記

今までに観に行った美術館・博物館などの記録です。

♯169 ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜


観 覧 日 : 2018年3月2日


会  場 : 東京都美術館


H  P : http://www.tobikan.jp/exhibition/2017_bruegel.html


展示作品 : ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜


期  間 : 2018年1月23日 〜 4月1日


料  金 : 1,600円 ・ 図録 2,200円


総展示作品数 : 101点  (内説明あり)38点・補足5


セクション(構成) : 7区画

            第1章 宗教と道徳

            第2章 自然のまなざし

            第3章 冬の風景と城砦

            第4章 旅の風景と物語

            第5章 寓意と神話

            第6章 静物画の隆盛

            第7章 農民たちの踊り


感想 :


 画家一族9人の作品が揃い踏みする本展には、16世紀のフランドル(現在のベルギーにほぼ相当する地域)を代表する画家ピーテル・ブリューゲル1世、聖書の世界や農民の生活、風景などを時に皮肉も交えながら描き、当時から高い評価を得ました。息子のピーテル2世、ヤン1世も父と同じ道を歩みました。長男のピーテル2世は人気の高かった父の作品の忠実な模倣作(コピー)を描き、次男のヤン1世は父の模倣にとどまらず、花など静物を積極的に描き、「花のブリューゲル」などと呼ばれ名声を得ました。さらにヤン1世の息子ヤン2世も、子供の頃から父の工房で絵を学んで画家となり、ヤン2世の息子たちもまた同じ道を歩み、ブリューゲル一族は150年に渡り画家を輩出し続けたのです。(ちなみに農民の生活を多く描き、本展にも出展されるダーフィット・テニールス2世は、ヤン1世の娘の夫です。)
本展では、このブリューゲル一族の作品を中心に、16、17世紀のフランドル絵画を見比べることで一族の全体像が見ることのできる貴重な機会となりました。
 また、それらほとんどが通常観ることが出来ない日本初公開となる貴重なプライベート・コレクションで、一族の画家たちが生み出した様々なジャンルの作品およそ100点を展示。出展作品には縦・横30cm未満の比較的小さな作品が多く含まれており一族の得意とした細密描写はいずれも驚くほど細部まで描きこまれていました。代々受け継がれた細密な描写はさすがです。

直近でも♯159や♯161で観ていますが、やはり一族揃い踏みはとても良かったです。


ブリューゲル一族の系譜


バベルの塔》マールテン・ファン・ファルケンボルフ、ヘンドリク・ファン・クレーフェ


ノアの箱舟への乗船》ヤン・ブリューゲル1世


《地上の楽園》ヤン・ブリューゲル2世


《机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇》ヤン・ブリューゲル1世 ヤン・ブリューゲル2世


《蝶、カブトムシ、コウモリの習作》《蝶、コウモリ、カマキリの習作》ヤン・ファン・ケッセル1世


《農民の婚礼(6点連作)》マーテル・ファン・クレーフェ


《野外での婚礼の踊り》ピーテル・ブリューゲル2世


特設WEBサイト:http://www.ntv.co.jp/brueghel/

ブリューゲルについて詳しく知りたい方は、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%AB
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