siseiryu美術館・博物館放浪記

今までに観に行った美術館・博物館などの記録です。

♯180 ルーベンス展―バロックの誕生

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観 覧 日 : 2018年12月4日


会  場 : 国立西洋美術館


H  P : http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2018rubens.html


展示作品 : ルーベンス展―バロックの誕生


期  間 : 2018年10月16日 ~ 2019年1月20日


料  金 : 1,600円 ・ 図録 3,000円


総展示作品数 : 点  (内説明あり)点


セクション(構成) :7 区画

      Ⅰ ルーベンスの世界

      Ⅱ 過去の伝統

      Ⅲ 英雄としての聖人-宗教画とバロック

      Ⅳ 神話の力1-ヘラクレスと男性ヌード

      Ⅴ 神話の力2-ヴィーナスと女性ヌード

      Ⅵ 絵筆の熱狂

      Ⅶ 寓意と寓意的説話

感想 :

ペーテル・パウルルーベンス(1577-1640)は、バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17 世紀ヨーロッパを代表する画家です。彼は大工房を構え時代に先駆ける作品を量産し、同時代以降の画家たちに大きな影響を与えました。さらにその能力は画業にとどまらず、ヨーロッパ各地の宮廷に派遣されて外交交渉をも行いました。


本展覧会はこのルーベンスを、イタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介してました。
イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心もローマでした。フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、イタリアに憧れを抱きます。そして1600年から断続的に8年間この地で生活し、そこに残る作品を研究することで、自らの芸術を大きく発展させたのです。
本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、そしてイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示し、ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、彼とイタリア・バロック美術との関係を明らかにします。近年では最大規模のルーベンス展でした。


ペーテル・パウルルーベンスの名は、わが国では名作アニメ『フランダースの犬』によって知られています。
そう、主人公ネロが一目見たいと望み続け、最終回にはその前で愛犬パトラッシュとともにこと切れる、聖母大聖堂の祭壇画の作者です。しかし本場西洋では、ルーベンスの方が圧倒的に有名です。バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家であり、後に「王の画家にして画家の王」と呼ばれたほどの存在なのです。本展覧会はこのルーベンスを、イタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介するものです。


なぜイタリアなのか?イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心地もローマでした。また、当時はローマがヨーロッパの政治の中心でもありました。フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、イタリアに憧れを抱きます。そして1600年、ついに彼はイタリアの土を踏み、08年まで滞在してこの地の美術を吸収することで、自らの芸術を大きく発展させたのです。フランドルに帰郷後も彼はたえずイタリアの美術を参照し、また手紙を書くときはイタリア語を用いるなど、心のなかにイタリアを保ち続けました。一方で、若い頃からきわめて有能だったルーベンスは、イタリアの若い画家たちに多大な影響を与え、バロック美術の発展に拍車をかけたと考えられます。ジョヴァンニ・ランフランコやジャン・ロレンツォ・ベルニーニ、ピエトロ・ダ・コルトーナといった盛期バロックの立役者となった芸術家たちは、ルーベンス作品との出会いによって表現を羽ばたかせた可能性があります。また17世紀末のルカ・ジョルダーノらは、ルーベンスから多くの刺激を受けました。


本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や彼に先行する16世紀のイタリアの芸術家の作品、そして同時代以降のイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示します。ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、彼とイタリア・バロック美術との関係を解きほぐし、明らかにすることを目指します。これまでわが国では何度かルーベンス展が開催されてきましたが、この画家とイタリアとの双方向の影響関係に焦点を当てた展覧会は、初の試みとなります。ルーベンスとイタリア・バロック美術という、西洋美術のふたつのハイライトに対する新たな眼差しのあり方を、日本の観衆に与える最良の機会でした。


今まで観にいった西洋絵画展でちょくちょくルーベンスの絵が展示されていますが、この企画展ではルーベンスのみに焦点を絞っておりとても良かったと思い。フランダースの犬でもあったようにルーベンス=宗教画という個人的なシメージですが、宗教画の展示も多々あり実際に観る事が出来てとても満足しています。また機会があれば観に行きたいと思います。


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ペーテル・パウルルーベンス《自画像》


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ペーテル・パウルルーベンスセネカの死》


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ペーテル・パウルルーベンス《キリスト哀悼》


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ペーテル・パウルルーベンス《聖アンデレの殉教》


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ペーテル・パウルルーベンス《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》


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ペーテル・パウルルーベンス《パエトンの堕落》


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ペーテル・パウルルーベンスヘスペリデスの園ヘラクレス


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ペーテル・パウルルーベンス《ローマの慈愛(キモンとペロ)》


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ペーテル・パウルルーベンス《エリクトニスを発見するケクロプスの娘たち》


ピーテル・パウルルーベンスについて詳しく知りたい方は、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B9
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特設サイト:http://www.tbs.co.jp/rubens2018/


次回の更新は8月中旬頃を予定しております。