♯003 伊藤若冲 アナザーワールド
観 覧 日 2010年5月 1日
会 場 静岡県立美術館
H P http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/
期 間 2010年4月10日 〜 5月16日
料 金 1,100円 ・ カタログ 2,000円
総展示作品数 116点 (内説明あり) 102点
※襖絵・屏風2対一作品とする
セクション(構成) 4区画
第一章 若冲前史 第二章 初期作−模索の時代
第三章 着色画と水墨画 第四章 晩年期−多様なる展開
☆五つを満点とする
照 明 ☆☆☆
配 置 ☆☆☆
その他 ☆☆☆☆
総評 ☆☆☆☆
良かった所:
照明・配置共にほどよく、説明は的確に鑑賞するポイントを分かりやすく書いており良かったと思います。館内は鍵型という独特な形であるにもかかわらず上手く区分けされていました。
悪かった・改善した方が良い所:
説明はケース内に平置きの為目の前まで行かなくてはなかなかしっかりと見ることが出来ず、出来れば斜めに配置し高齢の方にも見易くした方が良いのではないかと思います。またどこから第4章なのか順路が分からなかったので明確に出来れば尚一層良くなるのではないかと思います。
感想:
観賞用のガラスケースは以前(H22.4.29)に書いたエッシャーでは不適切でしたが、襖絵・屏風にはケース内の奥行きがちょうど良く日本の美術には観賞用ガラスケースはマッチしています。今回説明の内容も簡潔で分かり易かったのですが、今まで行った企画展との違いをあえてするならば殆ど作品に対して説明があった事には驚きです。
今回の企画展では個人的にとても気に入った作品が数点あり紹介したいと思います。
鑑賞した日は開催時期後半の為入れ替わっており見れませんでしたが、見てみたい作品です。
静岡県立美術館では毎年ゴールデンウィーク期間のみ特別公開しており一見の価値はあります。
釈迦涅槃図に見立てて野草・果物を配したもので、戯画の一種です。
「枡目描き」という技法で描かれており個人的に一番気に入っています。
「枡目描き」とは、まず淡墨で縦横約1cm間隔の線を引き、画面全体に方眼を作ります。 その上から、絵柄に合わせたごく淡い色を薄く塗って下地を作ります。 次に、方眼一つ一つを先ほどよりやや濃い目の色で正方形に塗り込めます。 その正方形の隅にもっと濃い色を小さく付け加えて、ようやく方眼一つの出来上がりです。 必要なところにはさらに色をつけたり陰影を施したりして全体の調子を整え、完成。実に根気のいる、気の遠くなるような作業です。 伊藤若冲が発明したと考えられる独自の描法です。
ちなみに樹花鳥獣図屏風も枡目描きで描かれています。
伊藤若冲について詳しく知りたい方は、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E8%8B%A5%E5%86%B2
をクリックして下さい。(ウィキペディア)
次回の更新予定日は5/22頃となります。