♯178 山寺 後藤美術館コレクション「ドラマティック!西洋絵画の世界展~バルビゾンへ歩む道~」
観 覧 日 : 2018年11月3日
会 場 : 浜松市美術館
H P : https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/artmuse/tenrankai/seiyoukaigaten.html
展示作品 : 山寺 後藤美術館コレクション「ドラマティック!西洋絵画の世界展~バルビゾンへ歩む道~」
期 間 : 2018年9月22日 ~ 11月11日
料 金 : 1,200円 ・ 図録 2,000円
総展示作品数 : 78点 (内説明あり)62点
セクション(構成) : 4区画
第一章 神話・聖書・文学
第二章 美しさと威厳
第三章 静物~見つめる
第四章 風景と日々の営み
感想 :
ヨーロッパ絵画の歴史において、聖書や神話的な題材が絵画を描くうえで長く重んじられてきました。
16世紀には画面の劇的な明暗を特徴とするバロック様式が流行し、18世紀には「華麗」なロココ様式が開花し、様式は変わってもこれらは共通のテーマとして後の様式に受け継がれていきます。このような流れに対して、産業革命以降、現実の世界をありのままに描くことに注目した画家たちが現れます。
彼らは理想化や空想化を排除し、農村や都会の日常生活や風景を新たな主題として見出しました。
本展では、山形市の山寺後藤美術館が収蔵する16世紀バロック期から19世紀後半までの神話画や宗教画から、肖像画や静物画、そしてバルビゾン派の風景画に至る作品約80点を展示します。ヨーロッパ絵画が印象派に向かうまでの多様な絵画様式の変遷を辿りながら、革新をもたらした画家たちの作品とともにヨーロッパ美術史を振り返る展覧会でした。
本展覧会でまず目をひくのが、縦横2m近くにもなる歴史画や人物画の大作の数々です。
大作ゆえの迫力と細部の綿密な描写を併せ持った作品の数々は見るものを歴史の舞台へと誘ってくれるような印象を受けます。そして、本展覧会最大の見どころは、「バルビゾン派」の画家たちの風景画です。
コロー、ミレーはもちろん、ルソー、トロワイヨン、ドービニー、ディアズ、デュプレを含めた「バルビゾン七星」の風景画を一堂に観る事ができました。
一口に「バルビゾン派」の風景画と言っても、森林、川辺、畑、農夫等、描かれた対象は画家によって様々です。「バルビゾン派」の画家たちがそれぞれに注目し筆をとった風景の魅力を存分に堪能しました。
本展覧会では、第二章の一部作品に限り写真の撮影が可能であり、とても良い試みだと思います。
ニコラ・ド・ラルジリエール《カトリーヌ・ギィモン・デュ・クードレイの肖像》
ジョアッキーノ・パリエイ《夜会》
次回の更新は4月中旬頃を予定しております。