siseiryu美術館・博物館放浪記

今までに観に行った美術館・博物館などの記録です。

♯151 ティツィアーノとヴェネツィア派展


観 覧 日 : 2017年1月22日


会  場 : 東京都美術館


H  P : http://www.tobikan.jp/exhibition/h28_titian.html


展示作品 : ティツィアーノヴェネツィア派展


期  間 : 2017年1月21日 〜 4月2日


料  金 : 1,600円 ・ 図録 2,400円


総展示作品数 : 68点  (内説明あり)32点


セクション(構成) : 4区画

            Ⅰ 1460-1515 ヴェネツィア、もうひとつのルネサンス 

            Ⅱ 1515-1550 ティツィアーノの時代 

            Ⅲ 1550-1581 ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ−巨匠たちの競合 

            ヴェネツシア派の版画−スキアヴォーネを中心に 


☆五つを満点とする


 評価  ☆☆☆☆☆


感想 :

水の都ヴェネツィアは、15世紀から16世紀にかけて海洋交易により飛躍的に繁栄し、異文化の交わる国際都市として発展を遂げるなかで、美術の黄金期を迎えます。
政庁舎や聖堂、貴族の邸宅のための絵画まで、公私の場のためにさまざまな主題の絵画が制作され、明るい色彩と自由闊達な筆致、柔らかい光の効果を特徴とする、ヴェネツィアならではの絵画表現が生み出されました。
本展は、ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノを中心に、黄金期を築いた多様な芸術家たちの絵画をとおして、ヴェネツィアルネサンス美術の特徴とその魅力を紹介していました。


ヴェネツィアルネサンスの巨匠ティツィアーノは、その圧倒的な技量と巧みな売り込み戦略によって、ヨーロッパ中で人気を博しました。本展には、初期から後期までのティツィアーノ作品7点(うち2点はティツィアーノと工房による)が出品されていました。
その内の1点が、ユピテルが黄金の雨に姿を変え、美しい娘ダナエと交わる官能的な場面を描いた《ダナエ》です。この絵画を見たミケランジェロは、ティツィアーノの色彩と様式を称賛しました。ティツィアーノの見事な腕前で描き出された神話画の傑作が初来日しました。
そして、ヴェネツィアでは、明るく大胆な色彩と、自由でのびやかな筆触が好まれ、近代絵画につながる「絵画的(ペインタリー)」な絵画が生み出され、ヴェネツィア派の画家たちの多様な作品を通じて、豊かな色彩感覚と絵具の存在感、光に包まれたような柔らかな造形をお楽しめました。


今回の企画展は宗教画・肖像画が多く、貴重な作品も鑑賞でき全体的に良かったと思います。


ジョヴァンニ・ベッリーニ 《聖母子(フリッツォーニの聖母)》


ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《復活のキリスト》


ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《フローラ》


パルマ・イル・ヴェッキオ 《ユディト》


ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《ダナエ》


ティントレット 《レダと白鳥》


ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《教皇パウルス3世の肖像》


ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 《マグダラのマリア


パオロ・ヴェロネーゼ 《聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ


ティツィアーノ・ヴェチェッリオについて詳しく知りたい方は、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%84%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%AA%E3%82%AA
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