siseiryu美術館・博物館放浪記

今までに観に行った美術館・博物館などの記録です。

♯129 黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝


観 覧 日 : 2015年11月29日


会  場 : 国立西洋美術館


H  P : http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2015gold.html


展示作品 : 黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝


期  間 : 2015年10月16日 〜 2016年1月11日


料  金 :1,600円 ・ 図録 2,800円


総展示作品数 : 282点  (内説明あり)73点


セクション(構成) : 4区画

            第1章 世界最古の金

            第2章 古代ギリシャ

            第3章 トラキア

            第4章 エトルリア古代ローマ


☆五つを満点とする


 評価  ☆☆☆☆



感想 :


地中海の奥深くに、湖のような黒海が広がっています。黒海の入口は、船の難所として知られるボスポラス海峡です。
ギリシャ神話によれば、英雄イアソンはこの難所をアルゴー船に乗って越えました。イアソンが目指したのは、黒海沿いの王国にある金の羊毛です。
イアソンは王女メディアの助けを借りて、この金の羊毛を手中に収めました。
豊かな黄金を秘める黒海地方の物語。これがただの伝説ではないことが、約40年前に明らかになります。黒海沿岸の町ヴァルナで、大量の金の副葬品を納めた墓地が発見されたのです。それはエジプトの最古のピラミッドよりも遙か以前、今から6千年以上も前に作られた世界最古の金製品です。骨と化した埋葬者は、金の杖を携え、大ぶりの金の腕輪をいくつもはめています。骸骨の周りに散らばる円形の金は、死者がまとっていた服をきらびやかに飾っていました。最古の金が納められたこの墓を出土の状態のまま復元し、同時に、太古の金の記憶が生み出したアルゴー船伝説の絵画が展示されていました。


黄金は太古の昔から不老不死や富、権力の象徴として人々の憧れであり、ギリシャ神話の世界にも黄金の雨(ダナエ)、金の羊毛(アルゴー船伝説)、黄金の林檎(パリスの審判)など重要なモティーフとして登場してきました。これら黄金をめぐる伝説は、絵画の巨匠をも虜にし、数々の名作が生まれています。古代文明がもたらした金の傑作の数々と金を題材とする絵画をあわせて展示されていました。


金!金!金!
久しぶりに金ピカだらけの展示を観ました。
精緻に施された金細工技巧はとても素晴らしく、絵画もとてもマッチしてました。
たまにはいいですね、金だらけも。


ギュスターヴ・モロー ≪イアソン≫


エラスムス・クエリヌス《金の羊毛を手にするイアソン》


≪ヴァルナ銅石器時代墓地43号墓出土の金の副葬品≫


グスタフ・クリムト《第1回ウィーン分離派展ポスター(検閲前)》


グスタフ・クリムト《人生は戦いなり(黄金の騎士)》


≪螺旋状のディアデマ≫


《パナギュリシュテ遺宝/女神を象ったリュトン》


《パナギュリシュテ遺宝/鹿を象(かたど)ったリュトン》


《動物模様のある留め具》


≪腕輪≫


次回の更新は7月下旬頃を予定しております。